中国ドラマ

中国ドラマの等級分け、位置付けについてと、中国俳優の格

筆者のInstagramの方に、中国ドラマの等級についての質問があったので、この機会に記事にしました。

中国ドラマ界で話題にあがる「S級」「A級」などのランクは、正式な国家規格ではなく、主に

  • 配信平台(Tencent・iQIYI・Youkuなど)
  • 広告業界
  • 芸能メディア
  • ファンダム界隈

で使われる“業界ランク”です。

ただし、韓国ドラマのように漠然としたラインではなく、結構明確に基準が設けられているのが中国のドラマ界。年間100本以上のドラマが作成されている中国では(ショートドラマも合わせると200本超えます)、宣伝費のコストも厳格に管理されているため、このようなランク付けがされるようになったと言われています。

微博やTikTokでも、かなり頻繁に話題になる等級の話。中国三大美女、や中国三大悪女、等があるくらいですから、中国はランク付けが好きなお国柄です。

ランク付けで特に重要なのは、

  • 制作費
  • 宣伝規模
  • キャスト格
  • 制作スタッフ
  • IP強さ
  • 期待視聴数(配信予約数)
  • 平台(配信サイト)の扱い

です。もちろんヒット指数にランクは関係ないので、S+級で爆死するドラマもありますし、B級ドラマが大化けする例も少なくありません。大ヒットしたB級ドラマの主演俳優が、等級を上げてA〜超流俳優になっていくのが中国芸能界の王道パターンとも言えます。

B級ドラマで大ヒットし、S級昇格した有名な例として

  • 陳情令(歴史的大ヒット)
  • 東宮(古装BE名作)
  • 琉璃(大ヒット)
  • 山河令(2021年最大級ヒット)
  • 蒼蘭訣(2022年最大級ヒット)

があります。

これらのドラマは大ヒットしたのでS級ドラマだと勘違いされている方も多いですが、実は低〜中予算、耽美改編、主演が新人〜中堅、配信埋め、のドラマで、B級でした。

これらのドラマに主演クラスで出演していた俳優たちは、ドラマの大ヒットによりその後、俳優等級もあがり、今ではS級ドラマで主演可能なまでに成長しています。

予算など関係ない!彼らが主演ならS+級ドラマだ!

ランクの詳細の前に少しだけ。中国俳優の中には、どれだけ低予算でも宣伝が無くても、この俳優が主演するならS+になる、という特別な俳優がいます。いわゆる大生大花、影帝影后、と呼ばれる俳優です。代表的な俳優を何名か以下に。

大生

陳坤(最上級格の演技派)

黄暁明(現資本系大物、長年頂流)

鄧超(国民的認知度の実力派)

胡歌(国民的俳優)

易烊千璽(若手で大生と呼ばれる唯一)

大花

周迅(もはや演技派の象徴的存在)

章子怡(世界的知名度が最強)

鞏俐(レジェンド、女帝)

劉亦菲(国民の女神、中国で神仙と言えば彼女)

孫儷(国民的女優)

後の大生、大花筆頭候補。彼らが主演ならS級確定

同じように、この人が主演なら、平台(Tencent・iQIYI・Youku)が自動的にS級待遇にする、というレベルの俳優、女優もいます。

これは単なる人気ではなく、

  • 投資回収期待
  • 広告価値
  • 海外販売
  • 予約数
  • SNS熱度
  • 招商(スポンサー集め)

を動かせる俳優。但しこのクラスではまだ、IP次第ではA等級になることもありますが。代表的な俳優、女優は以下に。

肖戦(流量S級化能力ダントツ)

張若昀(正劇と流量バランスがトップクラス)

朱一龍(若手トップクラスの格高実力派)

楊冪(一時代を担った女優)

劉詩詩(次世代大花筆頭)

倪妮(紅毯女王、格高実力派)

ドラマ格付けの詳細

では、ドラマの格付けに戻って。

格付け: S+級

業界での位置:国家級・年度覇権候補

制作費:非常に高い(100億円超も)

主演俳優:大生大花(大男優、大女優)、頂流

宣伝規模:全国、海外全て、超強力

放送前例:瑯琊榜、慶余年、天盛長歌、蔵海伝

格付け:S級

業界での位置:大型主力作品

制作費:高い

主演俳優:頂流、人気俳優

宣伝規模:かなり強い

放送前例:蓮花楼、長想思、一念関山、寧安如夢

格付け;A+

業界での位置:上位

制作費:やや高い

主演俳優:頂流、人気俳優

宣伝規模:強い

放送前例:玉骨遥、折腰、難哄、凡人修仙伝

格付け:A級

業界での位置:主力

制作費:中規模

主演:人気俳優、若手俳優

宣伝規模:やや強い

放送前例:蒼蘭訣、雲之羽、大奉打更人、入青雲

格付け:B級

業界での位置:小〜中規模

制作費:低い

主演:若手俳優

宣伝規模:弱い

放送前例:陳情令、山河令、少年歌行、朝雪録

(上記の作品は全て大ヒットし、放送後はS級へ昇格しています)

格付け:C級

業界での位置:低予算

制作費:非常に低い

主演:若手、無名中心

宣伝規模:ほぼ無し

放送前例:花の都に虎われて、宮廷恋仕官、太子妃 狂想曲

C級からの昇格は難しい?

中国では、配信のみ、短期公開、無名劇、と言われるC級ドラマは、実は大量に存在します。ただ輸出されることがあまり無いので(売れないから)、海外ではほぼ知られていません。

上記に挙げたC級例は、ヒットして海外でも知られたドラマです。特に花の都に〜で主演した趙露思(チャオ・ルースー)は、現在頂流女優の代表格にまで上り詰めました。丁禹兮も準一線(2級〜1級)俳優になっています。

ショートドラマが流行る現在は、横型ショートドラマに属するドラマは、ほぼ全てC級として扱われます。

ショートドラマデビューの俳優が、長編ドラマの主演格に昇格する例は、実はほとんどありません。一般人が芸能人になるより難しい、と中国では言われるくらいですが、そんな稀有な例も、あるにはあります。

現在ではA級ドラマの主演を務めることもある、丞磊(チョン・レイ)が、その有名な例。ショートドラマ「虚顔」が大ヒットし、その後「雲之羽」での助演でも人気を博し、A級ドラマの主演格にまで昇格しました。

現在はショートドラマ人気もかなり高く、長編ドラマで脇役や助演の俳優、女優が横型ショートドラマで主演を演じる例も多くなってきています。(流石に縦型ショートの主演はやりませんが)

ちなみに、2026年超ヒットした「逐玉」は、S級ドラマでした。

頂流って何?

ここまで、長々と書いてきましたが、ところで頻繁に出てくる頂流って何?と思われている方のために。

簡単に言うと、

頂流=トップクラスの大人気スター

です。Weibo熱度、SNSフォロワー、ファンダム、検索数、商業価値、などから決まります。

重要なのは、頂流=演技派、格では無いことです。そのため、頂流の立ち位置は、入れ替わりが激しいです。長年安定して頂流で居続けることが出来ると、そこに格が付いてきます。そうすると、後の大生大花になれるかもしれません。

とは言え、本当に頂流か?は、中国ではかなり厳しく見られますので、頂流になれる俳優もほんの一握り。

近年だと

  • 肖戦(圧倒的商業価値、超強ファンダム)
  • 成毅(最強ファンダム、SNS熱度安定)
  • 迪麗熱巴(最強商業価値、顔面超流)
  • 楊紫(全バランス型、実力もある)
  • 趙露思(圧倒的SNS熱度、最強ファンダム)

などが、頂流と呼ばれる俳優です。張凌赫が2026年の逐玉の大ヒットで、頂流化するかな?してるかな?というところかな、と。演技力評価が発展途上だけど、逐玉があまりにも超ヒットしたので、一気に流量が上がり国民認知度も高まり、業界信頼度もかなり上がったと思われ、次のドラマ次第かな。

張凌赫

羅雲熙(レオ・ロー)、劉宇寧、陳哲遠、任嘉倫(アレン・レン)、侯明昊などは、S級ドラマでもお馴染みの主演俳優たちですが、それでも頂流俳優とは呼ばれません。頂流と呼ばれる俳優がほんの一握りなのが分かります。実は頂流と呼ばれる俳優は、かなり少ないのです。

その一方、檀健次のように大ヒットした主演ドラマはまだ無いにも関わらず(主演映画はある)、ファンダムとSNS熱度が異常に強く、商業価値や業界信頼度も高く、演技力の高さも広く認められているため、頂流候補筆頭、と言われる俳優もいます。(長想思は大ヒットだが主演ではなかったので。とは言えほぼ主演と言っても過言では無い立ち位置だったけどね)

檀健次

頂流と超流は違うので注意

最後に、頂流と超流の違いについて。

間違いやすいですが、超流=社会現象級=超流量、のことなので、頂流とは意味も使われ方も違います。超流は作品や現象に対しても使いますが、頂流は使われません。頂流は俳優に使う単語です。読み方が同じなので間違いやすいですよね。

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