今回はかなり複雑な気持ちになった、王鶴棣(ワン・ホーディー)の「不舒服」騒動について。
単なる芸能ニュースというより、「冗談って何だろう」「傷ついた側が責められるってどういうことなんだろう」と、いろいろ考えさせられた出来事でした。

発端は『親愛的客棧2026』での“いじり”だった
騒動のきっかけになったのは、王鶴棣が主理人として出演したバラエティ『親愛的客棧2026』最終回。
番組内で王鶴棣は「你只是個王鶴棣獎(あなたはただの王鶴棣賞)」という賞を受けたのですが、その授賞シーンで司会の呉澤林(ウー・ザーリン)が彼の名前をもじって「王鶴底」と呼んだり、
「みんなのグループチャットには君はいない」
といった冗談を口にしました。
放送を見る限り、その場の王鶴棣は少し表情が曇っていたようにも見えました。
そして放送後、王鶴棣はSNSでこう投稿します。
「あの時は自分が敏感だったのかと思った。でも皆の分析を見て、やはりあの時は確かに不舒服(不快)だった」
この「不舒服」という言葉が、一気に中国SNSで拡散されることになります。

そもそも王鶴棣は番組を誰より支えていた存在だった
ここで少し触れておきたいのは、『親愛的客棧2026』での王鶴棣の立ち位置です。
番組を見ていた人なら感じていたと思うのですが、王鶴棣は単に出演していただけではなく、主理人としてかなり大きな責任を背負っていました。
裏では収録準備や進行のために多く動き、他の出演者をフォローし、困っている人がいれば助け、率先して働く姿がたびたび映されていましたし、映っていないところでも、とても一所懸命働いていたことは他共演者も明かしているところです。
「王鶴棣が一番働いていた」
「想像以上に気配りしていた」
「現場を支えていたのは彼だった」
という声も少なくありませんでした。
だからこそ今回の一件は、単なる“いじり”以上に受け止められた面もあるのかもしれません。
自分が真剣に向き合い、誰よりも責任を感じて頑張ってきた場所で、最終回、皆が皆の健闘を讃えあう場で、ああした形で笑いものになった——。
もしそう感じたのだとしたら、「不舒服だった」という言葉が出た背景も、十分理解できます。

沈月が謝罪、“棣月CP”にも波紋
さらに注目を集めたのが、沈月(シェン・ユエ)の存在でした。
王鶴棣と沈月といえば、2018年版『流星花園』で共演し、「棣月CP」として人気を集めた組み合わせ。
ところが今回、「王鶴棣賞」の発案に沈月が関わっていたとされ、王鶴棣の投稿後、沈月はSNSで謝罪しました。
しかし騒動はそこで終わらず、今度は二人が互いのSNSを整理した、いわゆる“相互フォロー解除”状態になったという話まで広がり、不仲説が浮上。
長く応援してきたファンにとっては、かなりショックな展開だったと思います。
「棣月CP、正式にBEなの……?」
そんな声もSNSでは多く見かけました。
王鶴棣への逆風 「不舒服文学」と21万人のフォロワー減
ところが、この騒動は「王鶴棣が傷ついた」で終わりませんでした。
むしろSNSでは、王鶴棣本人への批判が急速に広がっていきます。
過去に王鶴棣が徐志勝(シュー・ジーション)、張彬彬(ジャン・ビンビン)、黄子韜(ホアン・ズータオ)らに対して行っていたとされる軽口や冗談が掘り返され、
「自分も人をいじっていたのでは?」
「公の場で言うより私下で解決すべきだった」
という声が噴出。
さらに「不舒服」というワード自体がネットミーム化し、いわゆる「不舒服文学」が大量発生。
結果として、王鶴棣は短期間で約21万人ものフォロワーを失ったと報じられています。
正直、この流れには驚きました。

新作『将門独后』にも影響?
そして騒動は、現在撮影中とされる新ドラマ『将門独后』にも波及しています。
王鶴棣は孟子義(モン・ズーイー)と共演予定ですが、実はこの作品、以前からキャスティング論争がありました。
王鶴棣が演じる予定の謝景行は、原作ファンの間では「清冷な貴公子」として非常に人気の高いキャラクター。
そのため、
「王鶴棣の少しワイルドな雰囲気とは違う」
「謝景行のイメージと合わない」
と感じる原作ファンも少なくなかったようですが、今回の件でさらにアンチの批判が殺到。
さらに業界では、制作予算縮小や投資問題の噂まで浮上。
当初5億元規模とも言われた予算が3.8億元に縮小したという話や、投資側撤退説まで報じられ、作品を取り巻く状況は決して順風満帆とは言えない空気になっています。
もちろん現時点では噂レベルの情報も多く、今後の正式発表を待ちたいところですが、騒動の影響が作品にも及んでいるように見えるのは確かです。

20年以上陸劇(中国ドラマ)を見てきた一ファンとして思うこと
ここからは完全に、一人の中国ドラマファンとしての感想です。
私は今回の件については、どうしても理解できないところがあります。
それは、
「なぜ傷ついた側が、ここまで批判されるのか?」
ということ。
もちろん、芸能人は公人ですし、SNSでの発言の仕方について賛否が出るのは分かります。
でも、冗談って本来、言った側が「冗談だった」と言えば成立するものではなく、言われた側も「冗談だった」と思えて初めて冗談になるものじゃないでしょうか。
結果として王鶴棣が傷つき、「不舒服(不快)だった」と感じたのなら、その気持ち自体は否定されるべきではないと思うんです。
だからこそ、謝罪した側よりも、傷ついたと声を上げた側が「器が小さい」「空気を読めない」と批判され、21万人もフォロワーを失う流れには、かなり違和感があります。
日本人と中国人の価値観の違いなの?
ここは少し慎重に書きたいのですが……。
今回の反応を見ていて、「これって日本と中国の感覚の違いなのかな?」と思ったのも正直な気持ちです。
もちろん、中国にも気の合う友人は多いし、「中国人はこう」と一括りにはできません。日本のネットでも似た現象はあります。
ただ、中国SNSでは“いじり”や“ノリ”を重視する空気が、日本とは少し違う形で働くことがあるのかな……と感じることはあります。
20年以上陸劇を追ってきましたが、文化の違いやネット世論の熱量に驚かされることは今でも少なくありません。
皆さんは今回の件、どう感じましたか?
私はまだ、なぜ「傷ついた」と言った側がここまで叩かれるのか、正直よく分からないままです。